外反母趾と戦う靴職人の日記 -6ページ目

良い物を知る、体験の積み重ねで物を知る、それが歳を重ねると言う事

こんにちは、


靴の選び方は本当に難しい事だと思います。

お客さんなどのお話からも、履きやすさに保障が無いので

難しさを感じられているようです。


だから長い時間、長い距離はけると言う安心感は非常に大切な事で、

現代、靴にとって、究極的に難しい課題なのだと思います。


僕としても100パーセント保障できる靴つくりは不可能だと感じています。

そして、そこにデザイン性によりはきやすさを欠くことになれば、

いっそうの無理をお客さんは強いることになります。

その事を十分に理解して、

肝に据えて、靴選びをし無ければならないと思います。


妥協がどの程度必要なのかは、個人差があると思いますが、

妥協の分と、履いている方からは見えないさまざまな害がある事も

考慮しなければならないと思っていてください。


だから、僕の靴作りでは、確かな靴にするために、

作った後の具合にも十分に配慮が必要で、


「 何か具合が悪い事があれば必ず言ってください。 」


直す必要があるのが靴である事を考慮しています。

体重を預け、一日を楽しく過ごしていただくためには、

靴の必要性と、その靴の役割を果たせるようにすることが僕の仕事です。

言っていただくことが、足を寄り理解する事だと思いますし、

足の具合もご本人が理解するきっかけにもなります。


外反母趾などの害は靴選びと、履く方の意識の無さもありなります。

日々、毎日、暮らす中での注意が必要です。


日々の注意する事と、自分への思いやり気遣いなどの体験で、

靴も、食も、他の事も、物のよさを知る事が出来る。

そんな知識と経験を得ながら、

そんな歳の取り方をしたい物です。


「 やっぱり、駄目だ!靴つくって。 」

こんにちは、


妻の靴 ( 既製品 ) を選ぶ際にいろいろと履き比べたり、

僕の眼から見てよさそうな物を探しても見ました。


しかしながら、正直なところ妻に当てはめる靴はどこの店を見ても

無いのが現実で、妥協の中からの一足として購入。


欠点が見えていながらの購入。

靴屋で一時履いているのには大丈夫だが?

数時間、一日履く事が出来るのか?

足が痛く成らないだろうか?


等の不安と妥協をして消費者は購入しているのですね。


久しぶりに感じた、僕にとっては悲しみを感じた消費でした。


昨日、妻が帰ってきて、まず靴の事を・・・。



「 やっぱり、駄目だ! 靴つくって。 」





普段、僕の作った靴しか履いていない妻の一言。

やはり惨敗。

分かっていた事。

既製品の靴との大きな差。

うれしいと言うよりも、既成の靴にがっかりしました。

悲しいです。

裏に返せば自信には成ります。

でも悲しい。


靴を購入、こんな思いをしてみなさん靴選びに苦労されているのですね。

どこの家庭のげた箱にも多くの靴、履けない古い靴でもないのに、

まだ、2.3度しか履いてないのに靴が眠っている。

こんなばかばかしい事が当たり前の靴社会だから

みなさん無駄な靴を買うのですね。


本当、靴を作る職人としては悲しい事です。

お客さんの話からは聞いていましたが、僕たち家族にとってはばかばかしい事。


僕は靴を作り、実は、初めてのお客さんには特に、足の情報量が少ないので、




「 履いてみた、何か具合の悪い事、不安、疑問を感じたら

必ず! 相談して! 」



必ず、直すか、作り変えをするから。」




お客さんに痛い思いをさせる事は必ず出来ない。

そんなことの無い靴を作る腕はあります。

だからいつも口を すっぱく して言う言葉です。


靴って、靴屋って、そのような事を当たり前に出来る文化を早く望みたい物だと思います。

みなさんの靴選びには無理があり、

妥協と不安を感じて選んでいる空しさを久しぶりに味わいました。


妻にはやはり、僕の靴を作りたいと思います。

今回の事で妻も靴の選び方、大切さ、既成の靴の無理、

かなりの無理を感じていたようです。

難しい、難しい靴選び

こんにちは


僕の妻が知人より仕事の手伝いを頼まれて働きに出る事になりました。

食品関係の仕事で、白を基本とした靴が必要になりまして、本当なら僕が作ればよいのですが、

仕事始めに間に合いません。


そこで、他の靴屋さんへ靴を探しに出かけました。


数件、1.2.3.4.5.6.件ほど見て回りましたが難しい。

妻の足の特徴はわかっているだけに難しい。


木型はもちろん満足行く物はありませんので、どこまでの妥協をするか。

その事をプラスして、素材の使われ方、底材の性質と厚みなど。

難しいです。


さまざまな欠点を見ていて、作ってあげる事が最良だと分かりました。

妻も、靴を買う事を10年以上していません。

僕の作る靴を履いていて、既製品の靴の選び方、履き心地にはかなりの妥協をしなければならず、

かなり悩み、考えさせられたようです。


なんせ時間がありませんので、数件の靴屋さんの中の一足に妥協し購入。

それも妻としては大きな不安の残る物のようですが・・・・。


既成の靴の購入の難しさを久しぶりに体験してきました。

妻には申し訳ないのですが、今はちょっと忙しいので妻のための靴は購入した靴で我慢してもらい、

暇を見て作らせてもらいます。


購入した靴と僕の愛情のこもった靴の差を、大いに見せ付けて、もう少し僕のを見直してもらいますよ。


足の底 吸収材について

こんにちは、


底の材料への考え方は、メーカーによりさまざまなのですが、

僕の靴作りにとって、靴の、足の底には吸収材と成るものが好ましいと考えます。


先日から述べていますが、クッションになるようなものの中には、吸収材というよりも、バウンドする?

ような、衝撃を反発させる物も多く使われている事も。


吸収材としては、

人の体重が靴の底面に乗ったときに、衝撃や体重を吸収、そして、次の一歩を踏み出し、足を上げている時間内にその吸収剤がもとに戻り、その一歩、足が地面についたときまでに、ちゃんと吸収材としての役目をしている事が、良い吸収材だと考えます。


靴選びをする際に、もう一歩踏み込んで、吸収材を見て、感じてみる事も大事な体、足への思いやりになりますよ。

ドイツの丸みのある靴

こんにちは、


昨日、ドイツの靴のことに触れました。

僕として、日本で靴を作る者としての考えを書きたいと思います。


3万円代から売られ、二十年前ぐらいから良く町でも見るようになりますか。

靴の先がとても丸く、足のなりに入る靴です。





あの独特な丸み、見るからにファッション性の良い物ではありません。

しかし足を入れると足の指の開放感のあること。

ドイツ人らしい合理的な理に叶った考えから生まれた物だと思います。

足の痛みなどを感じている方、すぐにでも痛みから解放されたい方にすれば

楽そうに見える靴です。

確かに靴の木型は楽にするために出来ています。

ただ・・・。


ここで僕として・・・。


非常に理に叶ったつくりの物だとは思いますが、

日本人の持つ肉体、骨格には、あの重さは少々重すぎますし、

底の材料がウレタン材のものが多く、

歩いていての足の衝撃が反発する物なので、

吸収材ではないと感じています。

クッションとは言えるかもしれませんが、アスファルト社会ですので、

足への衝撃は、反発する物よりも吸収を目的にしてくれる材料の方が

好ましいと思います。

( ウレタンの材料は、大量生産に向いていて、ゴム質などの材料に比べ、 かなり安価な素材である事もメーカーの選ぶ理由かも。 )

使用されている革、

油の含んだ、厚みのあるわりにはやわらかさを感じる物ですが、

革としては良い物かと言われてうなずける物ではありません。

足になじんでいく度合いに限度があるものですし、重みもあります。


あの丸みのある木型。

悪くは無いと思います。

ただ、日本人にはかかとの部分、おかまがデカイ。

かなり太目のかかとをお持ちの方でないとゆるいはずです。

そして型紙として、かかとの深さが少々浅いと思います。

どのような既成品も、足近しいことは合っても、合うことはありませんが、

日本人にもう少し合いやすく、修正して販売していただきたいです。

良くする事が出来ると思います。

今のままではちょっと、価格と価値観が合っていないのではないでしょうか。


僕のところに来るお客さん、初めての方で履いてくる方が多いのですが、

その様な欠点をお話し、履いての感想をお聞きして書かせていただきました。

一応は書かせていただきましたが、不具合は他にも

無いわけではありません。

これで満足かどうかも、お客さんの持つところです。

僕の靴づくりには良いことと修正の参考にさせていただき、

自信にさせていただいています。

やわらかい革 と 硬い革

こんにちは友樹です。


先日来たお客さんに、

「 やわらかい革 と 硬い革、どちらのほうがいいの? 」

ときかれました。

僕にとっては当たり前のことなのですが、その方の疑問は、

僕にとって 灯台もと暗し 、みたいな。


やわらかい革のほうが足に対しては良いです。


硬い革は、丈夫さのみを求めるのでしたら良いのですが、

足になじむ事は難しいことなのです。

やわらかさにも価格の面から見てもさまざまなのですが、

分かりやすく言うと、一般的な牛革でも 子牛から成牛までで、

成牛に成るにつれ、革は硬く、値は安きなります。

価格にして十数倍の値段の差はあります。


一万円の成牛の靴と5万円くらいの子牛の革の靴なら、

5万円の靴の方が値ごろ感は確実にあります。

( 材料面から見てです。履きやすさは保障できません。 )


僕のところでは子牛、カンガルー、羊を主に使います。

足のことを考え、合わせて作る事を第一とした上で、デザインや材料の選択

をするのですが、やわらかさも必要なのですが、履く方が

より心地よく履いていただくためにそのような革を使っています。


はっきり言って、消費者の方は皮を見ても分からないと思います。

ドイツ製の重たい3万~6万くらいの靴でも、成牛の革で、油を含ませて

あるためにやわらかくなっている物が多く、足になじむ物は極少ない物です。

そのお客さんがそうですし、そんな靴を履いて、ドイツの靴が良いと信じて

こられる方多いのですが、うまくだまされてる気がします。



方向性が変わりました。


やわらかい革は多少丈夫さの面では劣ると思いますが、

履いていての感触には変えられない良さのほうが多く、大きいと思います。

硬い革の靴は、箱に足を入れている感触? を僕は感じます。


毎日自分を支え、目的のための生活には欠かせない道具です。

足を痛めるのも自分の責任なのですが、快適に暮らすためには

材料、靴の素材選びも重要な事だと思います。



ソルボ

こんにちは、


昨日の靴の材料に出したソルボについて、

TVで、高いところから卵やグラスなどを落としても割ること無く

衝撃を吸収する、下に敷い手ある素材です。

一見するととてもすごい物だと感じます。


靴を作るから解るのですが、

まず、あの厚みを靴の中に仕込むことは無理があります。

そして、卵やグラスの落ちた後が一番の問題なのですが、

卵やグラスを衝撃材のソルボから取ると、反発して、衝撃材として

元に戻る事が遅すぎる。

靴の中に使用した場合、一歩目の左右の衝撃は吸収してくれますが、

二歩目には間に合いませんので、衝撃材として少々まだ問題があると思います。

元に戻るのが早ければすごく良い材料として扱おうと思います。


今はつかうような材料とは思えませんが、

これからのソルボの進歩に期待します。

靴底の一長一短

こんにちは、


靴を購入する際に靴底の材質で選ぶ方いらっしゃいます。


靴の底の材料にはさまざまな物がありますが、

ひとつ覚えていていただきたい事があります。

靴を作り、扱う材料をいろいろと見ていて感じる事なのですが、


材料には、万能な物はありません。

特徴として、一長一短あると言う事です。





たとえば、

底の減りが遅い物ならば、硬い ( クッション性が悪い ) とか、

重い、曲がりにくい、などいずれかが当てはまったり。

逆に、軽く、クッション性の良さの代わりに、底の減りが早かったり。

減りが遅く、クッションのあるウレタンの靴底には、足を下ろしたときに

衝撃が反発すると言う欠点があります。

ソルボと言う、材料もTVなどで見かけた方もいらっしゃると思います。

材料として欠点があります。


僕は靴を作るために材料の吟味をする為、材料屋さんをいろいろ回ったり、

良い物があれば紹介を求めるのですが、万能と思えるものは無く、

材料の利点と欠点を探り、履く人の足運びや、年齢、体重、足の具合など、

をより良く合わせた上での靴作りとなります。


靴の購入の際、必ず一長一短ある事を心得てご購入ください。



ダンスの先生からの質問

こんにちは、


「 ダンスで年配用の型だと、

レースかシースルーの柔らかい素材をつま先のほうのデザインに持ってきて、

外反母趾の圧縮をなくす、土踏まずのアーチと、かかとのくぼみが

しっかりその方に合っているかどうか、

ヒールは高すぎないかをチェックして、ストラップで甲の上のほうまでで

足首を安定させ、足の先は少し遊べるようにします。

インソールも滑りにくい素材を使います。
それでも、その方の願いはかなえられないんでしょうか。 」

ダンスの先生からコメントでいただきました。


ダンス、

一般の靴に比べると短時間ではありますがハードな動きをするスポーツだと思います。

出来る限り、足を守れる工夫や配慮がなされている靴を先生として進めることは、

生徒さんの健康のためにも良い事だと思います。

サイズに無理の無い事はもちろんです。

「 外反母趾の圧縮をなくす 」 配慮は必要なことです。

そのために

「 ヒールは高すぎないかをチェックして、ストラップで甲の上のほうまでで、

足首を安定させ、足の先は少し遊べるようにします

「 足の先は少し遊べるようにする。 」

とても大切な事です。

外反母趾、内反小趾、巻き爪ほか、さまざまな足の害を守り予防になると思います。

木型や、ストラップなどで甲や、足首を固定、安定させる事は有効な事です。


「 インソールも滑りにくい素材を使います。 」

ダンスシューズの場合、靴の中敷を滑りにくい素材を使う事が当たり前に成っていて、

少しでも足が前に突っ込まないようにする配慮としては、とても良い事です。

「 それでも、その方の願いはかなえられないんでしょうか。 」

先生として、一般消費者が靴を購入する事だけで見ると合格ではないでしょうか。

ただ、なかなか見極めにくいですし、靴屋さんにも見えていないことなのですが、

やはり、足と靴を神経衰弱のように合わせる事、

ぴったりとではないのですが、

守るために締めなければならないところに緩みが無いか、

指など踏ん張りが必要なところに遊びを保てるか、

それを歩いたり、動いていて、その遊びが守れるかなど

木型 + デザイン でできる事があると思います。


履く人の足を知る事等も重要な事です。


先生は、良く考え、配慮をしていらしゃると思います。

それ以上の事は、先生としては無理があると思います。

履いた靴に足の癖がつき、その中からその足の特徴を見ることも出来ます。

参考にして下さい。


健康のためのダンスと考えている方も 多いと思います。

足の健康を保ち、ダンスを楽しんでもらう事が靴の役割だと考えます。

またブログに寄らせていただきます。


靴の中で足が前に突っ込むと・・・。

こんにちは、


先日、番頭さんからの質問にありましたので、


「足が靴の中で体重の負荷をかけて前に突っ込んでいて」というのの原因というのはどんなことがあるのでしょうか?
1)歩き方の問題?
2)靴の作りそのものの問題?
3)靴が足にあってないことの問題?


1 歩き方には問題はありません。

というよりも、歩き方を変える事は難しいと思います。

かかとから着地させる意識をもって歩く事は必要だと思います。

ただ歩くと言う事は、たいていは前に歩きますので体重の重みが下に掛かる、足に掛かります。

前の方向に歩く事で自然と体重の重み、負荷はつま先方向に掛かりやすいはずです。


2 靴そのものには大いに問題があると思います。

http://ameblo.jp/kutsushokunin/day-20050709.html


http://ameblo.jp/kutsushokunin/day-20050710.html


辺りを参考にしていただきたいのですが、

既製品の靴は靴の形はしていますが、誰の足に合うものでもないですし、

シンデレラを探すような物。

そして、足のことを理解された木型 ( 足型 ) などでは到底作られていません。

そのリスクを負っての購入になります。


3 靴が足に当ていないことも要因になると思います。

僕は靴を作る際、足にあわせることをするのですが、足にきっちりとあわせることが

靴を履きやすくする訳ではありません。

足に木型を合わせるのですが、締める箇所とゆとりが必要の箇所があったりします。

そして、足の痛みを回避するためにゆとりを作り、それらのゆとりを確保するために

締める箇所が必ず必要になります。